上の写真を見てください、これ実は2枚の板を横についないで一枚の天板にしているんです。
継ぎ目が分からないほど綺麗に仕上がっています。これ実際に肉眼で見ても、かなり近くまでよらないと継ぎ目を発見できませんでした。驚きの仕上がりだと思いませんか?
ジョイントカッターで【継ぎ目】が見えないテーブルを作る
【緊急指令!?】2枚の板でテーブルを作ってほしい
ある日、「2枚の板があるからこれを利用してテーブルを作ってほしい」そんな要望がまいこみました。
しかし2枚の板をつないで、テーブルとして利用できるほど綺麗な一枚の天板に仕上げる。これは中々に骨がおれる作業だと思いました。そこで、せっかくなのでこの機会に【ジョイントカッター】を導入することにしました。結構いたい出費でしたが、効率優先でいきました。
ジョイントカッターとは
ジョイントカッターとは【ジョイントビスケット】と呼ばれるブナの圧縮材で作られた木製チップを埋め込むための溝をほってくれる工具です。
ジョイントビスケットを接合部に利用することで、テーブルの天板などをがっちり繋ぎ合わせることができます。
それでは実際にジョイントカッターを使ったテーブルづくりを見学してみましょう。
ジョイントカッターで【ミゾ】をつくる
まずはジョイントビスケットを埋め込むためのミゾを、ジョインカッターを使って掘っていきます。ジョイントカッターを天板の上にのせて、水平に押し込んでいくとジョイントビスケットを埋め込むための【ミゾ】を簡単に掘ることができます。
ジョイントカッターが家具づくりなどの作業で重宝される理由は、このジョイントビスケットのミゾの高さを常に一定に掘れるからです。これによって、接合部がピッタリ同じ高さになり美しい仕上がりになります。
ジョイントカッターで作ったミゾにはこんな感じでジョイントビスケットがはまるようになります。これを天板の断面に一定間隔で差し込んでいきます。
ジョイントビスケットにボンドを塗って差し込む
ジョイントビスケットは水分を含むと膨張するという特性があります。この膨張効果によって接合部をがっちがっちに固定してくれます。
テーブルの天板をつなぐ際に、木工用ボンドを溝や接合部に塗っていきます。ボンドを塗ったら、ジョイントビスケットを溝に入れていきます。
ジョイントビスケットの膨張はものすごく強力。
塗った直後ならいざしらず、5分も経過した後だとほうにガチガチに固まってしまいます。
私は一度、ボンドを入れてしばらく時間がたったジョイントビスケットを抜こうとして、ペンチで引っ張ったことがありました。結果はジョイントビスケットが砕けるだけで抜くことができませんでした。
ジョイントビスケットには、それほど強力な接合力があります。
一定間隔にジョイントビスケットの仕込みが完了したら、次は天板同士を寄せあって、一枚の板になるように接合します。その際にボンドがあふれたら綺麗にふきとっておきましょう。
固まるまでクランプで固定
天板と天板をくっ付けたらクランプで固定しましょう。
ボンドがしっかり乾燥して固まるまでこの状態で待ちます。ボンドが乾燥して固まっていないと、いくらジョイントビスケットを使ったとしても、隙間ができてしまい綺麗に仕上がりません。ちなみにこの作業の時は夕方にこの作業を行い、半日は時間をあけました。
仕上げに【やすり掛け】をする
充分にボンドを乾燥させたらクランプを外し、電動サンドペーパーで【やすり掛け】をします。
この作業をおこなっておけば天板表面がなめらかになり、優しい手触りになり接合部もより目立たなくなります。ニスなどを塗った際の仕上がりもより綺麗になりますし、やっておいて損はありません。
テーブルの設置場所まで運ぶ
天板が仕上がったので、テーブルを設置する場所まで運びます。2枚の板をつないで一枚の天板にしているので移動にも注意が必要です。万が一がないように、クランプを使って木で挟み込んだ状態で運びました。
天板と脚を固定する
いくらジョイントビスケットを使っているといっても、繋ぎ合わせただけの天板に直で脚をとりつけるのは不安がのこります。そこで天板の下にやすり掛けした24mmの構造用合板を貼り付け、そこへテーブル脚を取り付けました。
テーブルの完成
2枚の板をつなぎ合わせたテーブルの完成です。天板の色が濃いこともあるでしょうか、自分でも驚くほど継ぎ目が分からなくなりました。ジョイントカッターを使って天板同士の高さをぴったり同じにできたからこその仕上がりです。
ジョイントカッターを使ったテーブルづくり、やはり接合部にジョイントビスケットを入れておくと強度が増して安心があります。それに作業スピードもやはり速くなりました。たいして意識せずとも天板の高さをそろえてくれるジョイントカッターはやはり導入して正解でした。
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